【連載】SDGsビジネスに挑む起業家たち 第15回

https://news.mynavi.jp/techplus/article/sdgs-15/

「マイナビニュース」の「TECH+」でSDGs×ビジネスに関する連載を2022年4月より開始しました。SDGs軸で事業をしている起業家や投資家などに話を聞いていく内容です。

第15回では、「世界中のお母さんに、安心・安全な出産を」を企業理念に掲げ、周産期遠隔医療プラットフォーム「Melody i」のシステムを用いたIoT胎児モニター「分娩監視装置iCTG(以下、iCTG)」を事業として展開するメロディ・インターナショナルFounder & CEOの尾形優子さんにお話を伺いました。

iCTGは妊婦が腹部に装着し、センサで胎児の心拍数を計測する機器です。妊婦がiCTGで測定したデータはBluetooth経由でタブレットやスマートフォンに送る仕組みで、コードレス/小型/充電式を実現。持ち運びも簡単で、離島やへき地、新興国・途上国をはじめとする電気が不安定な環境でも使用可能。

iCTGで測定したデータは医師と患者のコミュニケーションプラットフォームであるMelody iを通じて医師に送られ、医師は遠隔(病院や自宅、外出先など、どこからでも)かつリアルタイムで数値を確認できます。

iCTGが登場したことで、妊婦と医師、機器が同じ場所になくても計測・診断できるようになりました。また、医療アクセスの良くない地域であっても妊婦や胎児の異変を素早く把握し、設備の整った近隣病院へ妊婦を搬送する体制を構築できたのは画期的ともいえます。

国によって医療格差が存在する中で、妊婦と新生児の命を支えることは世界的な課題となっています。妊産婦死亡率や新生児死亡率、乳児死亡率などの数値が低く、医療体制が充実しているように見える日本にとっても無関係な話ではありません。

国内でも市区町村によって医療格差は生まれていて、地方には産婦人科医が足りない、または不在のエリアもあります。iCTGがグローバルで広がることで、救える命は今よりも増えていくことでしょう。