【column】商標登録出願を自力でやってみたら思ったほど難しくなかった話

この記事は弁理士資格を持たない、素人の36歳が初めて自力で商標登録をした記録です。2022年5月、noteに「商標登録出願をした記録」との記事をUPしましたが、その続報も合わせて綴ります。

商標登録出願をした背景

2022年5月上旬、「一の腕サロン」というテキスト(文字)の商標登録出願をしました。商標登録が完了するには時間を要するので、自分が必要と考える商標登録はできる限り早めにした方がいい、という理由で迅速に動いたのです。

しかし「一体なぜ一の腕サロンという謎ワードの商標登録を?」ということですが、夏に「一の腕サロン」という一の腕(前腕)を中心としたマッサージサロンをオープンすることを決めていました。自分にとって新たな超スモールビジネスです。

事前にリサーチしていると、一の腕に特化したサロンはこの世に存在しておらず、一の腕サロンという名称もなかったのです。自分としては画期的だと思っていたので、商標登録して損はないだろう、との考えでした。

商標登録出願の流れ

商標登録出願自体の流れはシンプルです。事務手続き周りが苦手なタイプで、時間を要しがちなため、若干身構えていたのですが簡単でした。ざっくり言うと、以下の5ステップ。

1.特許庁の「商標登録のいろは」で基礎を知る

2.その商標の存在有無、使用できない言葉は? など「特許情報プラットフォーム」で諸々調査

3.出願用紙(A4 1枚)を「知的財産相談・支援ポータルサイト」からDLする

4.INPITの「書き方ガイド」を参照しながら書く

5.郵便局で特許印紙を買って貼り、特許庁長官宛に郵送する

この過程で、商標情報サービス「ブランドテラス」を知りました。特許庁発行の約300万件の商標公報を収録していますが、無料で使えるようです。

商標に使われている「ネーミング」、その「ネーミング」がどういった企業、商標区分を指定しているのかなどを簡単に調べることができます。

「商標区分」「指定商品・サービス」ごとに、どのような「企業」が商標を出願し保有しているのかも簡単に調べられます。

特許印紙に注意

ただ、特許印紙は収入印紙とは違い、注意が必要になります。

「全国各地の集配郵便局等で購入して」と説明があるものの、規模の大きめな郵便局でしか取り扱いがないこともあるようで、事前にTEL確認するのが安全です。

私は近くの郵便局にTELしたら取り扱ってないと言われ、少し大きめなところに確認して出向くことに。

商標登録出願にかかる費用は?

費用についても書いておきます。費用がかかるタイミングは3回あります(出願書類の提出方法によって2回になる方も)。

1回目:出願用紙郵送時

出願手数料(3,400円+〈区分の数×8,600円〉)

区分の数は1で、提出書類も1枚なので、初期費用は3,400円+8,600円=12,000円でした。

2回目:出願後

出願書類を書面で提出したので、出願手数料(上記)の他に電子化手数料(2,400円+〈800円×提出書類の枚数〉)が必要となりました。こちらは書類提出後、2週間くらい経過したタイミングで、特許庁とは違う組織から別途連絡が来て支払う形式です。

電子化手数料は2,400円+800円=3,200円でした。

(郵送が面倒だから電子出願ソフトでやりたかったのですが、電子証明書はWindows対応しかしておらず、Macしか持たない私は断念せざるを得ませんでした😭)

3回目:登録査定(結果通知)後

出願した約5ヶ月後の10月上旬、登録査定として結果が通知されました。調べると「大体、出願から半年かかる」とのことだったので、少し早く進んでいることがうれしくなりました。

登録査定を受け取ってから30日以内に登録料を納付します。

特許庁のサイトを参照しながら納付方法を決めて、「商標登録料納付書」を作成します。

こちらもA4 1枚の簡単な書類をDLし、必要事項を記載するだけです。

ここで支払う金額は、設定登録料(私は10年分の一括納付にしました)。

区分の数×32,900円なので、区分の数1×32,900円=32,900円の特許印紙を貼って郵送すればおしまいです。

商標登録料納付書を送った後

郵送から3週間ほど経過した11月2週目後半に、納付書受領の通知が来ました。

書類を郵送した場合、納付書の電子化を行うため、電子化期間として約3週間が必要だそう。

不備がなければ3日以内で登録され、登録証(特許証)は登録日から約2週間後に発送されるとのことで、11月4週目には賞状のような登録証が自宅に届いていました。

出願日:2022/5/18

登録日:2022/11/8

となっていました。各工程でかかった期間を考えると、本当にシステマティックに進んでいくのだなあと感心しました。

その後、検索して確かめてみると「特許情報プラットフォーム」にも掲載されています。

無事終わった〜! と、ひとまず達成感を得たのでした。

自分で商標登録しておきたい、という人にとって参考になれば幸いです。